特集 在宅看護論の授業展開
第I章 在宅療養者の理解と看護
―はじめに―在宅療養者と療養環境の理解
大塚 廣子
1
1前東京都立南多摩看護専門学校
pp.908-909
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100506
- 有料閲覧
- 文献概要
ねらい
学生は,入院患者の病気などの健康障害と清潔や食事などの生理的ニーズに関するアセスメントや援助は比較的よく学べている。しかし,在宅療養者について理解するのは難しいように思える。それは,療養者自身の本来のあり様,つまり社会的な役割を担いながら家族の一員として生活していることを前提としなければならないからである。療養者のおかれている場を知るということは,市町村の施策などがわからなければ,それを知ったことにはならない。
学生は訪問看護師の行う援助を見学し,療養者とその家族の反応から,在宅看護にこそ看護の本質があると感動することがよくある。理由を聞くと,療養者の生活パターンを大切にしている,療養者と家族の意思を大切にしている,療養者が病院のなかと違っていきいきと生活している,家での生活が続けられるのは訪問看護師の存在が大きいと療養者が語ってくれたなど,いろいろな答えが返ってくる。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.