特集 在宅看護論の授業展開
序
網野 寛子
1
1都立北多摩看護専門学校
pp.906
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100505
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在宅看護論が看護師基礎教育に導入されて,早いもので8年になる。この間,訪問看護は「介護保険法」で認知され,診療報酬で経済的裏付けがなされてすっかり定着した。それとともに看護教員も一定の内容を教えることができるようになった。しかし,いまだに苦慮しているのは,訪問家庭に出向いた際,学生が看護上の問題をアセスメントできるツールが見当たらないことではないだろうか。病棟実習では,ヘンダーソンなどいずれかの看護理論を用いて問題解決思考を促しても,在宅看護実習は適切なツールを示しきれず,教育の歴史の浅さもあって自信をもって教えることができないままやり過ごしていることが課題となっている。
担当教員は病棟実習と同じようにシステム的思考ができなければ在宅看護を修得させたことにはならない,と試行錯誤を繰り返してきた。しかし,見学で終わってしまい,時に病棟実習の息抜きの場になっていることも懸念されている。
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