特集 在宅看護論の授業展開
第I章 在宅療養者の理解と看護
終末期にある在宅療養者とその家族の看護/【事例】終末期にある在宅療養者への看護の実際
大塚 廣子
1
,
柴田 三奈子
2
1前東京都立南多摩看護専門学校
2豊田訪問看護ステーション
pp.918-933
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100508
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終末期にある療養者の在宅療養の開始にあたって考慮すること
■看護に期待されていること
「健康日本21」(平成15年度厚労省)ではがん対策について,①がんに対する正しい知識の普及啓発,②がん検診の実施,③医療施設の整備,④専門技術者の養成・訓練,⑤がん研究の推進の5項目をあげている。このうちのがん研究は,新しい治療法に関する研究とがん患者のQOLに関する研究などを,重点的に推進している。
完全治癒が望めない病に侵され,余命幾ばくかと告知された時,人は住み慣れた生活環境でできるだけ自分らしく生活したいと願う。人の命は限りがあるからこそ,「その時までいかに生きるか」「私らしく生きたい」,即ち,人としての尊厳を持ちつづけながら生きたいと願うものである。看護は終末期に関わることができるからこそ,QOLを考えた援助を展開したいものである。
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