一頁評論
療養環境管理の考え方—療養環境管理料設定への要望
左奈田 幸夫
1
1国立埼玉病院
pp.49
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206062
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室料差額問題が起きて種々論ぜられているが,私のいう療養環境管理を適正に評価する論旨とは全く異った問題であることを,読者はまず理解していただきたい.社会文化生活の向上から,入院時,文化的生活をするための上級病室への入室は患者個人の希望であり,自己負担は当然である.これに対し患者の病室環境を適正に管理し,治療効果を増幅し,入院日数を短縮して社会復帰を早めることが,療養環境管理である.したがって前者は保険制度で取り上げる問題でなく,後者こそ十分管理料として評価すべき問題である.
病院を評価する条件は昔から3つある.それは診断,治療と療養環境の充実向上である.よい診断,よい治療に対する健康保険制度の評価は,入院時医学管理料として十分ではないが設定されている.しかし治療に必要な環境調節技術等に対する管理の評価は,保険制度に正しく取り上げられていない.
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