連載 感染症 Up to Date・72
インフルエンザ脳症の現状
森島 恒雄
1
1名古屋大学医学部保健学科
pp.806-810
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902679
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インフルエンザとは
インフルエンザは一般には,いわゆるカゼの一種と考えられているが,感冒(風邪)とインフルエンザは区別して考えたほうが良いだろう。感冒は上気道を中心とした比較的症状の軽微な疾患である。病因としてはライノウイルス,パラインフルエンザウイルス,コロナウイルスなどがある。これに対して,インフルエンザは主にA型,B型の2種類のウイルスによって生じ,高熱の持続,頭痛,嘔気,関節痛が激しく,また,重い合併症もみられ,しばしば死に至るなど,感冒に比較して重い症状で知られている。
インフルエンザは,さまざまな型や亜型(サブタイプ)があり,近年は「A香港型」「Aソ連型」「B型」が,それぞれ年により,繰り返し流行している。
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