今月の主題 インフルエンザ―新しい知見
各論
インフルエンザ脳炎・脳症の疫学と発症・病態
森島 恒雄
1
Tsuneo MORISHIMA
1
1名古屋大学医学部保健学科
キーワード:
インフルエンザ
,
インフルエンザ脳症
,
サイトカイン
,
血管内皮細胞
Keyword:
インフルエンザ
,
インフルエンザ脳症
,
サイトカイン
,
血管内皮細胞
pp.157-161
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905037
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インフルエンザ脳炎・脳症は,5歳以下の乳幼児に多発し,約30%の致命率を示す重篤な疾患である.A・香港型ウイルスの流行時に発症が多くみられる.病態としてサイトカインおよび血管内皮の障害が示され,重症例の治療法が検討されている.また,一部の解熱剤(NSAIDs)が本症の予後の悪化をもたらすと考えられる.今後,なぜわが国に多発するのかなどの国際共同研究や分子生物学的な病態解明のアプローチが必要である.
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