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特集 神経感染症の新しい展開
3.インフルエンザ脳症―ガイドラインを中心に
Influenza-associated Encephalopathy
森島 恒雄
1
Tsuneo Morishima
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学
1Department of Pediatrics, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
キーワード:
インフルエンザ
,
急性脳症
,
インフルエンザ脳症
,
ガイドライン
Keyword:
インフルエンザ
,
急性脳症
,
インフルエンザ脳症
,
ガイドライン
pp.561-569
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100194
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はじめに
インフルエンザ脳症は主に5歳以下の乳幼児に発症し,インフルエンザ発病後の急速な病状の進行と予後の悪さを特徴とする疾患である。インフルエンザという日常遭遇する疾患の合併症であるため,流行時期の小児科診療上も,大きな問題を提示している1, 2)。したがってインフルエンザ脳症の対策,とりわけ診療ガイドラインの作成とその普及は,重要課題の1つであった。われわれは,2005年11月,これまで厚生労働省研究班を中心に得られた多くの情報を基にガイドラインを作成した3, 4)。一般臨床の場で,使いやすく,また多くの症例の臨床情報や,病態解析などから得られた新しい知見に基づく診療が可能となるように努力したつもりである。
このガイドラインの構成は,(1)初期対応(インフルエンザの診療に当たる1次医療機関において,いかにインフルエンザ脳症を疑うか,また2次・3次の医療機関への搬送を考えるか),(2)インフルエンザ脳症の診断,(3)同治療指針,に加え,懸命な治療にもかかわらず不幸にして後遺症を残した乳幼児に対するリハビリテーションの項目(4)や,子どもを亡くした遺族に対するグリーフケア(5)も含まれる。ここでは(1)から(3)までの項目についてまとめた。
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