綜説
インフルエンザ脳症の診療戦略
-—疫学・病態の解析から治療法の確立へ
森島 恒雄
1
1愛知医科大学小児科
キーワード:
急性脳炎
,
急性脳症
,
インフルエンザ脳症
,
ガイドライン
,
サイトカイン
Keyword:
急性脳炎
,
急性脳症
,
インフルエンザ脳症
,
ガイドライン
,
サイトカイン
pp.1635-1642
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001540
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筆者がウイルスによる中枢神経障害の研究を開始した1970年代半ば,麻疹脳炎,風疹脳炎などが大半を占めていた.その後1990年代以降,インフルエンザや突発性発疹,ウイルス性胃腸炎などに伴う重篤な脳障害に注目が集まり,ウイルスが増殖する部位とは遠く離れた臓器(中枢神経)が,ウイルスの増殖なく障害される「急性脳症」の概念が確立していった.インフルエンザ脳症の研究は,「子どもたちに何が起きているのか」を探る中から,治療法を模索していった歴史でもある.本稿にはそのまとめを記載した.未知の重篤な病態に対する時,病態解明を通じて治療法を模索することの重要性は,新型コロナウイルス感染症でも同様と思われる.
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