発言席
香りの効果的な使い方
高橋 覺
1
1アロマ環境デザイン研究所
pp.761
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900759
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老人ホームやケアハウス,病院などの部屋やロビーに香りを流したり消臭する仕事が増えてきた。今までは,ショールームやホテルなどの医療関係とは無縁の場所が多かったのだが,香りの持つ効果・効能に対する認識が脳波や心拍数,発汗量などで測定できるようになり,科学的に証明することができるようになった。また,香料中の精油には,強い殺菌消毒力のあることが実証できるようになった。
4月のアロマテラピー研究会の時に,アロマテラピー(芳香療法)の位置付けの話があった。芳香療法とは,植物に含まれる精油の鎮静効果を用いて,精神のバランスを正常に戻す自然療法の1つで,各先生方に発言をしていただいた結果,予防医学的な意見が大多数を占めた。事実鼻から吸入された精油(香り)は,鼻から肺にかけての粘膜から身体に吸収され,血液とリンパ液によって体中を巡り,その間さまざまな化学変化に参与し,最終的には汗や尿,便,息といったチャンネルを通じて排出される訳だ。
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