特別記事
アメリカの老人在宅ケアの実情・3—ホームケア・サービス機関と保健婦活動の現状
高崎 絹子
1
,
小船 憲子
2
1埼玉県立衛生短期大学
2社会保険埼玉中央病院
pp.60-70
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900012
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1.ホームケア・サービス機関の活動の現状
アメリカの衛生行政全体の機構は図1のようになっており,在宅ケアのサービスは,①公的病院や機関によって提供されるもの,②民間の利益を目的としない(non-profitの)病院や団体によるもの,③私的な(会社組織による)病院やホームケア機関によるものの3種類あるが,公的機関のサービスは全体の一部にすぎず,ほとんどが民間立の機関によって提供されている。そのなかでも在宅ケア・サービスの担い手の中心は,いわゆるホーム・ヘルスケア・エージェンシーと呼ばれる民間のケアセンターである。人口26万人のワシタナワ郡の行政直轄のケアセンターは1つのみであるが,民間のnon-profit(非営利目的)やprofitの機関が14か所あるという。平均人口2万人弱に1か所という計算になる。
これらのうちアンナーバー市にあるケアセンターの1つを訪れ,看護婦と同行訪問させてもらったようすをまず紹介したい。
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