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海外文献
スウェーデンにおけるタバコ・コントロール(1)
Tobacco Control in Sweden
The Division of Health Education of Sweden
,
山根 洋右
1
1島根医科大学第二環境保健医学教室
pp.71-77
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900013
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●翻訳にあたって
21世紀における近代諸国の共通した社会的脅威の1つに,薬物濫用があげられる。マリファナ,アルコール,コカインに加えて,タバコもその1つである。これらは,いずれも社会的影響が大きく,その対策は予防医学の面からも緊要な課題となっている。特にタバコ問題についていえることは,防止のほうが,治療よりも費用が安くて効果があがること,社会的要因が深く関与しており,環境的・社会的条件を変革することが重要であること,心理・社会学的な行動学的理論や地域社会の下部構造分析に基づく対策が必要であること,地域社会にねざした総合的ヘルスプロモーションの展開が緊要であることなどに加え,政策的研究の重要性が指摘されている。
ひるがえって,わが国における禁煙対策をみると,個人の意識にアプローチする方法が重視され,社会的・政策的視点が弱いように思われる。ここにスウェーデン政府の行っている政策の一部を紹介し,日本における禁煙運動,肺癌予防対策の一助としたい。
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