特別寄稿
高齢者の入浴中の死亡—東京都23区内の分析より
舟山 眞人
1
,
山口 吉嗣
1
1東京都監察医務院
pp.54-59
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900011
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はじめに
東京都監察医務院で扱う23区内の異状死体(自宅で急死した場合など医療機関に入院中死亡した以外の病死,交通事故や転落など災害により死亡した疑いのある死体,自殺など)は年間7,000体余を数える。ところで,このなかに入浴に関係したもの,すなわち浴槽内や洗い場などで死亡していたという事例が,特に冬季に高齢者でよく経験される。わが国はこれから急速に高齢化社会に進むといわれているが,高齢者の入浴死はその大きな問題の1つになると思われるので,具体的な現状をふまえ,その対策を考えてみたい。
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