連載 —海外文献紹介—Current Nursingピックアップ・4
アメリカにおけるホームケアの発展と現状
アボット近藤 房恵
1
1ホリーネームス大学看護学部
pp.648-651
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904590
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80年代のホームケアへの流れ
Brault, G. L. 1980 s Reorientation to home health care. Journal of Pediatric Health Care, 1, 8-13, 1987.
今,アメリカでは医療ケアシステムの中で,病院中心の医療から地域中心の医療へのパラダイムシフトが起こっています.高い医療費,人口の高齢化,医療保険システムの問題等,いろいろな問題を抱えて,それに対する対策として,入院期間の短縮化,病院の縮小化が進み,さらには,医療保険制度の変革が起ころうとしています.そんな中で,病院は重篤で急性期の患者のみが短期間の治療を受ける場所となり,地域では,より重症な患者がいろいろな医療器具を使いながら,自宅で治療・ケアを受けるという状況が生じてきています.Home Health Care Nursingは,日本語で言えば,在宅看護です.日本は,まだまだ,病院中心医療ですが,高齢化社会に対する対策として,老人訪問看護制度がしかれ,地域に看護ステーションができ,老人訪問指導事業が推進され,地域へのシフトの兆しが見えています.そこで,今回は,この地域医療の中で急激に伸びてきているHome Health Care(在宅ケア)に注目し,それに関する文献を紹介します.
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