研究
事例からみた在宅ケアシステム機能の評価
坪 捷江
1
,
島内 節
2
1青森県立青森高等看護婦学院公衆衛生看護学部
2国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
pp.412-419
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207745
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はじめに
わが国では人口の高齢化のなかで在宅ケアの実践がいろいろな角度から注目を浴びている。しかし,在宅ケアを要する人々にとって,ケアシステムが十分に確立している地域はなく,さまざまな問題をかかえている。在宅ケアにはいろいろな職種がかかわるので,おのおのが独立した責任を果たしながら,全体の目的(統合的な在宅ケア)に貢献するように依存しあう機能として互いに関連をもたせるような組織的なすすめ方(=在宅ケアシステム)が必要である。ケアシステムがうまく機能しなければ,適切な在宅ケアの種類や人の選択,ケアの質の保障が困難になりやすい。そこでこのケアシステムを的確に評価し,どこにどのような問題点があり,何を改善すべきかをとらえることが重要である。
老人サービスの計画・組織に関するWHO専門委員会1)は,1973年に「その基本となるのはどのような条件下にあろうと第一線の医師と保健婦である」と述べている。
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