特集 町づくり健康づくり私たちのノウハウ—保健婦からのレポート
痴呆性老人の在宅ケア—在宅ケアシステム機能の分析
二位 ゆかり
1
,
小亀 正昭
1
,
橋本 和子
,
梶 孝江
Yukari NII
1
,
Masaaki KOGAME
1
1兵庫県和田山保健所
pp.253-256
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900320
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◆はじめに
わが国は,世界に例をみないスピードで人口の高齢化が進み,特に75歳以上の後期高齢者が増えつつある.和田山保健所が所管する南但馬は,県下でも高齢化の著しく進展する地域で,年齢65歳以上の高齢化率は20.0%に達し,県平均の11.5%を大きく上回っている.
このような高齢化社会にあって,住み慣れた地域で最期まで人間らしい生活を送りたいという願いは,すべての人々に共通した願いであり,そのためには,たとえ障害があったとしても,在宅生活の継続を可能にする多様な援助体制「地域ケアシステム」の確立が必要不可欠である.しかし実際には,家族が困難を訴えても,それに対応する援助メニューが希薄であったり,サービスを提供する側の体制整備も十分でないのが現状である.
今回,管内の生野町で訪問を継続している痴呆性老人について,在宅ケア支援のための機能を評価し,その結果を通して,生野町における援助体制について考察した.
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