活動報告
自宅閉居にある精神障害者へのアプローチを通しての一考察
浅野 弘子
1
1徳島県徳島保健所
pp.862-866
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206744
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I.はじめに
昭和40年に精神衛生法が一部改正され,それに伴い在宅精神障害者に対して,保健所保健婦の訪問看護がよりいっそう積極的になされるようになった。保健所保健婦になって2年目を迎えた私にとって,精神障害者に対してどのように接近し,どのような訪問看護をすべきか,未熟な私には未だつかみどころがない状態である。
ところで,保健統計を見ると精神障害による通院治療者は,ここ数年増加の傾向にあり,昭和56年には約34万人となっている。社会的にもケアの要求が増してきていることは容易に推測できる。従って,保健婦は,保健所内部においても訪問件数をあげる必要性にせまられている。そこで,昨年保健婦になった早々,ある精神障害者へちょっとしたきっかけで訪問活動を開始した。自宅閉居にある精神障害者との面接過程をふり返り,彼らにとって保健婦とはどういう存在なのか疑問をもったことについて考察した。
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