特集 保健医療ソーシャルワーク
地域へのソーシャルワーク—精神障害者へのアプローチ
伊藤 淑子
1
,
田尾 有樹子
2
Yoshiko ITO
1
,
Yukiko TAO
2
1東京都立松沢病院医療相談室
2吉祥寺病院医療相談室
pp.159-162
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900294
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■はじめに
精神医療は,日本の保健医療の中でも,その閉鎖性のために批判を受けることが多い領域である.だが,ソーシャルワーカーの雇用については,他の領域よりも積極的になされており,都内82カ所の精神病院の約8割がソーシャルワーカーをおいている,という現状がみられる.業務内容の確固とした位置づけはまだなされていない一方で,これらのソーシャルワーカーには心理的,社会的な広い領域にわたる視点と活動が期待されている.
筆者の一人である田尾は,1978年から12年間,東京の吉祥寺病院の精神科ソーシャルワーカーとして勤務してきた.病院の変遷と,その中での業務の変化を振り返りながら,精神病院のソーシャルワーカーが患者の社会復帰に関連して,特に地域との関係の中で求められている役割を振り返ってみたい.
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