活動報告
脳卒中患者家族の現状—家族の負担とその対策としての家族指導
安川 秀子
1
,
桑代 美千代
1
,
山根 範子
1
,
竹丸 ユキミ
1
,
延時 正子
1
,
川平 和美
1
1鹿児島大学霧島分院
pp.856-860
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206743
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はじめに
高齢者の多い脳卒中後遺症患者のリハビリテーションでは,最終的な受け入れ先である患者の家族の態度によってその成否が左右されることが多く,家族の理解と協力が不可欠である。身体障害を有する老人の家庭復帰を阻むものは,核家族化などの家族観の変化,経済的負担の増加など単に医療従事者の努力ではいかんともし難い点も多いが,脳卒中後遺症に対する理解の不足や患者の介護法の知識不足からくる心身両面の負担も大きな要素になっている。従って再発作の予防から介助法を含む在宅訓練法にわたる幅広い家族教育は,患者家族の心身両面の負担を軽減することより,家庭復帰を促進すると同時に患者の能力維持に重要と思われる1)。
当院ではこのような考えに基づいて,入院時より患者家族の教育に努めているが,今回当院の退院患者とそうでない在宅脳卒中患者の訪問調査を行う機会を得たので,在宅脳卒中患者家族の現状と家族教育の効果についても合わせて報告したい。なお,具体的な家族指導内容については,今回の報告では省略する。
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