書評
—中沢 正夫—あなたが家族を愛せるなら〜心の医者のフィールド・ノート〜
小林 ユキ子
1
1東京都調布市役所
pp.867
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206745
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涙あり,笑いあり,感動あり
精神科医である中沢先生といえば保健婦にとっては大変馴じみの深い方であります。著者は群馬県の保健婦とともに,地域での精神分裂症に対する働きかけの技術(生活臨床)を開拓した生みの親であります。またそれにもとづいた地域精神衛生活動を群馬県だけでなく,全国各地に広め保健婦活動を活気づけた先生でもあります。保健婦の中沢先生ファンは全国津々浦々におり数えきれないほどです。著者は精神科領域だけではなく,名実ともに,保健婦活動のよい指導者であり,理解者であります。
この本は,このような先生の幅広い活動を通して体験した事例,特に保健婦と一緒にかかわった事例のエピソード,患者・家族の生活の実態,人間模様などを約30余の小話にまとめ紹介したものであります。著者の話術(適切な言葉の使い方),達文ぶりは知る人ぞ知るところであります。この本の中にもみごとにそれが出されています。肩も凝らず,涙あり,笑いあり,感動ありで一気に読むことができ大変楽しい本であります。
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