Japanese
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展望
障害者水泳プールの一考察
The Modern Trend of Swimming Pool for Disabled.
矢部 京之助
1
,
指宿 忠昭
2
Kyonosuke Yabe
1
,
Tadaaki Ibusuki
2
1名古屋大学総合保健体育科学センター
2群馬大学医療技術短期大学部
1Research Center of Health, Physical Fitness, and Sports, Nagoya University.
2College of Medical Cere and Technology, Gunma University.
キーワード:
障害者
,
水泳プール施設
Keyword:
障害者
,
水泳プール施設
pp.365-370
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105380
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はじめに
水泳運動は心肺の能力を高め,全身の持久力を養う効果がある1~3).しかも呼吸器や循環器の機能をさかんにするばかりでなく,浮力を利用することによって体重の負担が軽くなるので骨格や関節,腱などへの負担が軽くなり老人や身体障害者に適した運動といえる.
このような利点から水泳は循環器疾患,筋神経疾患,リウマチなどの慢性期疾患のリハビリテーション,また最近では精神病やぜんそくの治療法として注目されている4~12).
障害者水泳は大きく分けて1)特殊教育機関,2)医療機関,3)障害者福祉施設,4)障害者体育・スポーツ施設,5)一般体育施設という5つの場で,それぞれ独自の目的と性格をもって行われている(図1).従って,これらの水泳プール(以下,プールと略す)における障害者への配慮は施設を運営する側の方針と対象となる障害の内容と程度によって相異がみられる.
また障害者の水泳が年々さかんになっている傾向にあるが,在宅障害者が利用できるプール施設は少なく,さらに各種の障害または各年齢層が同一施設を利用して行えるプールは極めて少ない現状である.
そこで本稿では,現在わが国で建設されている障害者プールを総覧し今後の課題について述べてみたい.
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