特別企画 在宅老人の機能回復を願って
老人保健対策の課題
古市 圭治
1
1厚生省社会局老人保健課
pp.162-170
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206484
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昭和55年現在,我国の総人口の中に占める65歳以上人口の割合は9.1%となっているが,よく知られているように,今後我国では人口の高齢化が急速に進んで,西暦2,000年頃には65歳以上人口が15%を超え,フランス,イギリス,西ドイツ並みの高齢化社会になるものと予測されている。ちなみに,これらの国々が100年かかって達した状態に,我国は45年で達するといわれており,その変化が早いので,今から高齢化社会への対応を進めていかなければ間に合わない状況である(表1)。もっとも我国でも人口の偏在があり,多くの地域では欧米諸国以上に人口が高齢化しているので,今さら驚くに当たらないと考えられる場合も多いかもしれないが,医療費の増加やねたきり老人,痴呆老人の増加などは,やはり深刻な問題としてうけとめなければならないものである。
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