特集 介護老人保健施設における理学療法の課題
介護老人保健施設の課題と展望
香川 幸次郎
1
Kagawa Koujiro
1
1岡山県立大学保健福祉学部
pp.475-483
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100104
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昭和60年,中間施設に関する懇談会が提示した中間施設のあり方に関する意見1)から早20年の歳月が過ぎた.昭和61年の老人保健法の改正に伴う老人保健施設の創設,ゴールドプランやゴールドプラン21に基づく施設の整備,そして介護保険法の制定・施行と,老人保健施設をめぐる状況は大きく変化してきた.老人保健施設が掲げる自立支援と在宅復帰を目指す理念は堅持されているものの,要介護度の悪化や在宅復帰の困難さなど,当初考えられた医療機関と在宅の橋渡しとしての機能は十分に果たされていない現状にある.
他方,リハビリテーション医療が急性期,回復期そして維持期リハビリテーションと整理され,高齢者リハビリテーション研究会の報告書2)では,維持期リハビリテーションの中核施設として老人保健施設が位置づけられている.同時に維持期リハビリテーションは地域リハビリテーションに包含される3)など,新たな老人保健施設のあり方が希求されている.
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