特集 精神衛生
精神衛生の課題と対策
老人の精神衛生—その課題と対策
大和田 国夫
1
1大阪市立大学
pp.162-168
発行日 1965年3月15日
Published Date 1965/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203013
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■はじめに
公衆衛生領域としての精神衛生対策の必要性は,わが国でも,古くから認められている。しかし,精神医による患者の医療保護が主であって,発生防止,国民の精神的健康の保持向上をはかる実際的活動は,微々たるものといっても過言ではないようだ。
昭和34年頃から,個々の保健所で,幼児の精神衛生学的検査が実施,報告されているのを散見するが,1)2)それを基盤に,3歳児の検診が,全国一せいに行われるようになったのは,昭和36年で,まだ数年の歴史をもつにすぎない。しかも,その検診自体にはいろいろ疑問があり,現在の検診方式で,幼児の精神衛生面にはたしてどれだけの成果が挙がるのか疑問である。
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