学生ノート
安曇村での衛生教育の経過と雑感
二木 京子
1
1長野県立保健婦専門学院
pp.54-55
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203398
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まず,私たちが衛生教育をしようと思いたった動機は,村人から得てくるだけでなく,give and takeの精神で村人も私たちから,なにかを得てほしい,そういう気持ちから出発しました.しかし,なにをどうやってやるかが,少しも決まらず,私たちの得意とする脳卒中の家庭看護の発表をやろうかとも考えましたが,それでは普遍的な問題ではないし,地区住民の要求を無視したものである点から,結局,現地の保健婦さんの意見などを参考にして,成人病についてと,母子衛生の保健についてやることに決めました.この時のムードとして衛生教育をやるんだという気持ちが先走り,目的からピントがはずれていたように思われます.方法としては,私たちが単に発表したものを受けとめてもらうのではなく,もっと積極的に村人の問から出た問題を,村人の間で解決するような方向にして,私たちは援助者的存在であろうと考えました.その方向にもとづいて,つぎのような具体的なプログラムをたてました.
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