ていだん
保健婦の働き方をめぐって—ケースワークとグループワーク
杉田 千鶴子
1
,
西山 かずえ
2
,
田中 恒男
3
1東京都品川保健所
2川崎市中原保健所
3東京大学医学部
pp.58-65
発行日 1964年5月10日
Published Date 1964/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203116
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グループの自主性を育てること
田中 この前渡辺さんと橋本さんが保健指導方法としてのグループワーク,ケースワークをどんなふうに考えていくのかについて討論があったわけですが,そのときにも問題になりましたことは,現場で理屈はわかったとしても,実際にどう進めていったらいいんだというあたりがやはり理論的な面だけではカバーできない,具体的な問題があるんじゃなかろうかということになりました.それでは1回現場の方がグループワークとケースワークの問題をめぐってざっくばらんなお話し合いを願おうということになったわけです.そこで,グループワークをさかんにやっていらっしゃる西山さんに一つそのやり方を具体的に出していただきたいと思います.
西山 川崎でやっているグループワークは,あまり意識しているというものもないんです.私たちもいろいろとケースワークをやってきて,赤ちゃんをもつお母さんたちの育児指導をしておりまして,今まで考えさせられたことは,私たちがいくら知識や経験でお話しても,お母さんになかなか実行に移すまでに納得させられないということが,ずいぶん今までにあったわけなんです.ところが,よく聞きますと,ご近所の人に聞いたとか,まわりの人に聞いたとかいうことで,比較的まわりの人たちに聞いたことは実行しやすいということでした.
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