研究・報告
初回申請患者の発見方法の一考察
名古屋市南保健所看護係一同
1
1名古屋市南保健所
pp.54-56
発行日 1962年7月10日
Published Date 1962/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202614
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結核予防法申請患者のうち,医療機関による発見が全国的に多いのはなぜでしようか.果して全く医療機関によつて発見されたのかそれとも職場,学校,住民検診などで発見されて医療機関に受診しそのままそこで発見されたのではないかなど,疑問はたえません.ここに名古屋市のリポートをいただき,皆様の御参考にしていただきたいと思います.
結核患者の管理上,登録票の果す役割は大きく,従つてその内容の整備充実は重要であり,そのために必要な情報は種々な機会,方法で絶えずキヤツチされなければならない.中でも医師の届出,予防法の申請から得られる情報は重要なウエイトを有するものの一つである.これらが初回であつた場合,登録票が作成されるが,いくつかに分類された発見方法欄はその際に記載されている.この場合保健所にある諸資料が参考にされ各項目を決定する.その結果第1表上段に示すように(8)医療機関の受診(以下(8)と略す)が最も多く,(4)住民検診がこれにつぎこの両者が新規登録の大多数を占めている.諸家の報告を見るに(8)による患者がやはり多い.併し一面では諸法規による健康診断が充実されつつある現状ではこの様な数字の配分を肯定し切つてしまうに一抹の不安を感ずるのである.そこでこれを明らかにして以つて今後の結核対策の一助にしたいと考えここにその結果を報告する.
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