授業研究
「再構成」の活用方法に関する一考察―学生の主体性をはぐくむために
田嶋 長子
1
,
古崎 すみえ
1
1福井県立短期大学第2看護学科
pp.836-841
発行日 1990年12月25日
Published Date 1990/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900144
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はじめに
看護教育において,患者を全人的に理解し,主体的な看護実践のできる学生を育成することは当然のこととなっている.しかし,画一的・一般的理解しかしえない学生が多いように感じられる.
その原因として,学生自身の生活体験の乏しさからくる感性の未発達などを指摘する教員が多くみられるが,教育側にも種々の問題がある.総合看護の理念のみが強調され,そのための教育方法が教条的で,形にこだわる傾向が強いためではないかと考える.このことを,川島も,「総合看護とか,全人的理解という言葉が,この10有余年のあいだにどれだけ語られてきたことであろう…ところが,その方法自体が教条的にとり入れられ,いつしか人間を分析し,人間を見る目や相手と共感する感性をさびつかせることにもなっている」1)と指摘している.
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