マイ・オピニオン
‘配膳’からの脱却を
中村 友美
1
1石川県総合看護学院第1看護学科
pp.249
発行日 1981年3月1日
Published Date 1981/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922728
- 有料閲覧
- 文献概要
私は最近,知人の入院を通して大切な教訓を得た.といってもさほど特殊なことではないが,考えさせられることなのである.
知人I氏は,糖尿病と慢性腎炎の合併症で今は帰らぬ人であるが,1氏が終焉を迎えんとする時期のことである.最善の治療も効を奏さず,日に日に悪化し,ついに強度の全身浮腫や視力障害,尿毒症による意識障害を伴う状態になってしまったある日のこと,見舞った私に‘あれ食べてはいかん,これ食べてはいかんばかり言われていやになった’と訴えるのであった.I氏はまだ50歳代で,数年前に先立たれた夫の家業を受け継ぎ,適齢期の子女を持つことから回復意欲は人一倍強かったが,疾病からもうかがえるとおり食事制限がかなり大きく,極度に食欲も減退し衰弱もひどくなった.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.