グラフ
在宅ケアへの展望を拓く—東京都立神経病院の‘在宅診療’活動
川村 佐和子
1
,
岩下 守
,
本誌
1東京都立神経病院医療相談室
pp.252-257
発行日 1981年3月1日
Published Date 1981/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922729
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東京都立神経病院はパーキンソン病,重症筋無力症など各種の神経系難病の専門病院として1980年8月にオープンした.難病の専門医療機関としてはわが国で初の,そして現在唯一の病院である.この病院の前身は同じ敷地内にあり,1971年から神経難病への医療に取り組んできた都立府中病院神経内科で,それまで59床しかなかった神経内科病棟を拡大して300床(予定)の入院医療専門病院としたものである(外来はそのまま府中病院神経内科にあり.患者はこの外来を通して入院する).
府中病院神経内科がこれまでの10年間,わが国の難病医療のパイオニアとして取り組んできたさまざまな活動と成果は,そのままこの神経病院に引き継がれ,より発展・充実化の方向が打ち出されている.1974年12月から始められている‘在宅診療’活動もその1つである.これは自宅で療養する難病患者の生活にそくして,入院医療に劣らない高いレベルの医療を提供することをめざして組識された診寮活動であり,医師(専門医)・PT・OT・STMSW(保健婦・福祉指導・心理技術)がチームを組んで患者宅を巡回訪問し,診療だけでなく看護指導・生活相談など,在宅療養上のあらゆる援助サービスをするというユニークなシステムである.
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