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配膳の方式
島內 武文
1
1厚生省病院管理研修所
pp.30-32
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200571
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病氣で氣分のわるい患者には随分立派な食事でも箸がつかないものだし,その鹽梅や温度のみならず給仕の時間や皿の配置等にまで氣むづかしくなつて來ているので,配膳にも愼重な心づかいが必要になつてくる。殊に老人等に於ては食慾のすすむか否かが,直ちに生命の豫後に決定的な影響をもつ事がある。しかも少し病氣がよくなつてくると今度は食事一つが樂しみになつて,量が少いとか,少し遲いとかと腹を立てられる事もある。
病院の給食の特色は1.患者の多くがベツトに居て給仕を要する。2.食養療法上の醫學的考慮を要する。3.病人にとつては嗜好についての一層個人的の考慮を要する。4.ホテル等に比し長期に亙るために献立に一居の變化を要する。5.傳染豫防のための考慮を要する。等であるが,適當の食餌を適時適量適温に間違いなく供給し,心理的にも食慾をそゝるためには,しつかりした配膳計畫を必要とする。
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