ベッドサイドの看護
下肢強直痙攣強度な患者のADL自立への援助
岩佐 百合子
1
,
竹内 典子
,
小林 はま
,
大井 さよ子
,
内田 与利子
,
市川 まち子
,
坂口 道子
,
杵渕 寿恵
,
小出 はる子
,
田辺 好子
,
倉島 信江
1国立長野病院整形外科病棟
pp.387-390
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922664
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はじめに
当院では,慢性関節リウマチ,片麻痺等の温泉治療を主目的とした,リハビリテーション患者が多い.長期療養にもかかわらず,円滑な社会生活を営むことができない患者の精神的苦痛ははかり知れない.これらの人々が,障害を克服し,身体的・精神的・社会的に自立してゆく過程における看護婦の多面的援助は重要である.今回私たちは,後縦靱帯骨化症で下半身不全麻痺,特に両下肢の絞扼性強直痙攣が頻発するためリハビリテーションに対する意欲を喪失し,挫折,絶望感から長期間抑うつ状態にあった患者が,看護婦の働きかけにより,徐々に自己の病状を受容し,たゆまぬリハビリテーションへの援助と努力によって,車椅子のADL自立が可能となり,ともすれば,悲観的になりやすい身近の長期療養者に対し,自分の過去の体験を話し,励ましを与えるほど,心身ともに自立できた事例の看護を経験したので,ここに報告する.
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