ベッドサイドの看護
意欲のない老齢患者の自立への援助
牛山 フミ
1
1盛岡赤十字病院第6病棟
pp.148-151
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近,入院患者の中で老人の占める割合がめっきり増えてきている.そして,問題なのは,いわゆる寝たきり老人が病院でもつくられる,ということである.そうした時に,私たちの病棟にも,看護上多くの問題をかかえた一老人が入院して来た.手足は硬直し,両便失禁,昼夜ほとんど口を開けたまま眠っている状態で,一見して全く生きる意欲のなさそうな老人であった.
この老人を看護していく上で,大きな壁にぶつかった.それは,この患者の‘しあわせ’とはいったいなんなのか? ということが,患者自身も含め,その家族および医師・看護婦らの考え方に,大きなギャップがあったことである.これらの考え方のギャップが,日常行われたベッドサイドの看護実践の中で,どう変化していったかに触れながら,多くの問題を考えてみたいと思う.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.