Perspective◆展望
クオリティ・オブ・ライフ クオリティ・オブ・ビジョン クオリティ・オブ・ミール
内潟 安子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.365
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200143
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“クオリティ・オブ・ライフ”という言葉は,今やほぼ人口に膾炙されている.QOLと略して書いたり,言うほうがもっと理解しやすいかもしれない.
診療の場では,糖尿病の治療の面から「これまで食べていた量を減らして少しでも運動してください」という言葉が,すぐ口をついて出てきます.そのようにやれば,内因性分泌能が保持されている間は,たいていは血糖値が下がります.この時,患者さんにとって「これまで食べていた量を減らして少しでも運動する」ことが,どれだけ生活のなかで負担になるのか,負担をかけているのか,われわれはあまり斟酌していないのではないでしょうか.医療スタッフから「患者さんが血糖を下げなければならないのは当然でしょう,医療者としてそのように言うことは当然でしょう……」という言葉が返ってきそうです.
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