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焦点 看護におけるQOLの研究[1]
海外文献
癌患者のクオリティ・オブ・ライフ・インデックスの開発およびクリティーク
Development of a Quality of Life Index for Patients With Cancer and The Study Critique
Carol Estwing Ferrans
1
,
Betty Rolling Ferrell
2
,
操 華子
3
,
黒田 裕子
4
1University of Illinois at Chicago College of Nursing
2City of Hope National Medical Center in Duarte
3聖路加看護人学大学院
4東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学
pp.117-124
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900072
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癌患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を測るためのインスツルメントの開発に関する本研究は,個人の価値と満足を説明しようとしている。対象は一流病院の腫瘍登録簿(tumor registry)に名前が登録されていた乳癌患者(n=111)である。FerransとPowersが開発したクオリティ・オブ・ライフ・インデックス(QLI)は腫瘍学の文献の広範囲なレヴューを基に修正された。修正されたQLIの内容妥当性は支持された。また,QLI全体(Cronbach'α=0.95)と4つの下位尺度の内的整合性についても支持された。この4つの下位尺度とは,健康と機能的,社会経済的,心理学的/精神的,そして家族(それぞれCronbach'α=0.90,0.84,0.93,と0.66)であった。つぎに,併存妥当性に関しては,QLIと生活の満足度の測定との間の高い相関(γ=0.08)により支持された。さらに,構成概念的妥当性は,既知グループ法(the known grouptechnique)を用いて,痛みや抑欝がほとんどなく,ストレスにうまく対処している対象のQOL得点の平均値が有意に高いことで支持された。本研究でのインスツルメントの査定から得られた結果や,そして多くの患者が1人でQLIを記載することができるという事実は,ヘルス・プロフェッショナルが研究や実践に向けてのインスツルメントを選択していくときに,考慮すべき重要な変数である。
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