連載 ことば
クオリティ・オブ・ライフ(QOL-Quality of Life)
都留 春夫
1
1聖路加看護大学大学院
pp.513
発行日 1991年9月25日
Published Date 1991/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900247
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今年(1991)の春,末期がんの苦しみを見るに耐えないという家族からの懇願に抗しかね,担当医が塩化カリウムを注射して患者を“安楽死”させたという事件が日本で起こった.昨年は,自分で操作して麻酔薬と塩化力リウムを注入できるように医者が考案した“自殺装置”を使い,快活な笑顔を残して自らの生命を断った主婦の行為が全米国のマスコミをにぎわせた.
がんの告知,インフォームド・コンセント,延命,老い,ぼけ,臓器移植などの話題が大きくなるにつれて,脳死,心臓死,個体死,自然死,尊厳死,安楽死など,死をめぐる様々の言葉が見聞きされるようになっている.
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