Japanese
English
特集 クオリティ・オブ・ライフ(QOL)
クオリティ・オブ・ライフのリハ医学における評価
Measurement of the Quality of Life in the Field of Rehabilitation Medicine.
大川 嗣雄
1
Tsugio Ohkawa
1
1横市大病院リハ科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital.
キーワード:
ADL
,
意識調査
,
客観的評価
Keyword:
ADL
,
意識調査
,
客観的評価
pp.269-276
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105144
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はじめに
Quality of Lifeの評価が私に与えられたテーマである.先ずこの言葉をどう訳すかについて私見をのべる.
今しばらくの間,あえて訳さずに,クオリティ・オブ・ライフとしたい.したがって,この論文でもクオリティ・オブ・ライフで通したい.その意味する所は,Lifeの訳についてであるが,一般的には生活と訳されている場合が多いようである.しかし,クオリティ・オブ・ライフが,リハビリテーション医学と関わり合うという前提で考えると(この点については上田氏の論文でものべられており,後でこの小文でもふれる.)生活と訳されては問うている質が余りにも狭いように感じられる.
すなわちこの10年間に我々が取り扱った症例のうち,約300例はベッドサイドでの治療に終始し,遂にいわゆる“訓練室”におりて来ることはなかった.このうちの多くは,悪性腫瘍であったり,また重度の脳障害により意識を回復することなく,我々の眼前を通り過ぎていった.このような患者達にも,リハ医学の評価として,クオリティ・オブ・ライフを問うならば,生活の質ではなく,どのような生命の質を与え得たかを問われるべきではないかと考える.すなわち,クオリティ・オブ・ライフのLifeは,昨今のリハ医学にとって,大変に幅広い意味を含まなければならないのである.
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