Nursing Study
肺結核患者の安静指導/—講評—研究目的を明確化し深みのある研究効果を
長谷川 博子
1
1鳥取大学医学付属病院
pp.96-103
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914654
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はじめに
肺結核症の治療法として,Hypocrates(BC460〜377)頃から「安静」は大切な要素であり,治療法中,今なお50%の治療効果があると言われている。しかし理論はどうであろうと実際には自覚症のない急病人(少なくとも患者にとっては)である結核患者の安静は守りにくいものである。
今まで社会人として「健康」を意識していなかった人たち,(自分が結核患者になるとは夢にも考えたことがないという人が,北九州の統計によると25%ある)毎日元気で働き,レジャーを楽しみ,あるいは将来の生活設計などを考えながら生活していた人たちが,集団検診で「あなたは結核だから入院しなければいけない」と医師から言われた場合,その精神的打撃の大きいことは想像にあまりあるものがある。それらの精神的打撃やそれに対する葛藤を持ったまま,患者は入院することになる。
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