Nursing Study
<講評>目的をはっきり
鈴木 秀郎
1
1東大医学部第一内科
pp.114
発行日 1971年2月1日
Published Date 1971/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915933
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研究報告を読んで感じたことを率直に申し上げます。どんな研究でも目的をはっきりさせることが大切です。目的がはっきりしないと研究内容が不足したり無駄になったりするだけでなく,報告そのものが散漫になります。
〔はじめに〕の部分はこの研究の目的を書くべきところですが,正しい検温について研究をするのだという漠然とした目的はわかっても,そこにどのような問題があり,それを明らかにするためにどのようなことをしたかということが全然わかりません。つぎに〔体温の測定〕の部分は生理学の教科書をまる写しにしたようですが,この報告では全然いらないと思います。むしろ〔はじめに〕の部分で検温のやりかたには腋窩,口腔,直腸,腟などいろいろな方法があるが,日本で普通に行なわれている腋窩の測定法にはどのような長所と短所があり,正しい検温の障害になるのはどのような点であるか,それを検討するためなにを行なったかを書くべきであったと思います。
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