特集 婦人労働からみた看護
専門職と看護—看護労働の分化との関係
荒井 蝶子
1
1病院管理研究所
pp.22-25
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912399
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看護は専門職業であるという言葉で看護の特性を示そうとしたのは,すでに耳なれた長い習慣のようなものである。それなのに,まだ専門職業の定義も明確に論議されつくしてないし,看護の本質についても日本の看護婦自身が,理論を築いて,その概念の体系化したものを持っているわけでもない。婦人の労働分野で比較的古い歴史をもち広範囲な領域を占め,日本全国で10余万の従事者をもつ職業である看護であるのに,技術偏重の過去の傾向が,看護を専門職業の特性にそった形で育て得なかったのであろうか。ここでとりあげる問題テーマは,以上の専門職業としての看護の姿を明らかにし,現実の看護労働を分化して考えてみることによって,一応の理論を整理しまとめてみようとするものである。
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