マイ・オピニオン
看護労働の本質を捜そう
池野 栄子
1
1諏訪赤十字高等看護学院教務部
pp.1177
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917385
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労働は本来ある種の価値を生むものであることは,過去も現在も変わってはいない.しかしその価値観に,過去と現在で相違があるのは当然であろうし,またそれは人それぞれ,個人によっても異なるものであろうが,自分が看護という職業についていて,いったい看護労働の本質はなんであるか,その定義づけも方向づけも明確にできない今,考えさせられているこのごろである.
自動化社会・情報化社会の現在,看護界において(これは看護界だけに限ったことではないと思われるが),新しい者と従前の者との労働における価値観の相違は,当然存在し,それが看護労働に新しい問題を投げ掛けてはいないだろうか.価値観の相違はまぬがれないものとしても,このような時こそ,お互いに価値観の相違を批判し合う前に,看護労働の本質とはいったいなんぞやということを,改めて考えてみることも必要ではなかろうかと思う.
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