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専門職看護婦論—臨床看護の現場から学びとる能力を中心に
荒井 蝶子
1
1病院管理研究所
pp.428-436
発行日 1973年7月25日
Published Date 1973/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906687
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はじめに
日本の現在の時点で,専門職看護婦の存在が,はたして一般的なレベルで意識されているか否か,まことに疑わしいことだと思っている.しかし,看護婦という看護に携わる職業人の中の一部には,専門職業(Professionals)の1つとしての,専門職看護婦(Professional Nurse)を自負している者たちのグループが存在していることは確かである.そして自分たちが自らを慰めるためだけの自負であったにすぎない専門職看護婦という呼び名から,近年に至って,どうやら,本格的に少しずつではあっても,論理の裏づけに基づいた,専門職業としての看護婦論を,いろいろな側面から問い正してゆこうとする気運になってきたように思われる.
看護が専門職業としての性格を持つための定義も,おそらくこれからの論題に数多く登場することだと思われる.このあたりには,他の専門職業との比較において,あるいは,他の既存の専門職業人とのつりあいにおいての論議が重ねられてはじめて,看護も看護婦も社会的なレベルにおいて,その専門職業的性格を問われることとなるであろう.
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