Japanese
English
総説
大動脈弁狭窄症術後患者に対する心臓リハビリテーション
Cardiac rehabilitation after aortic valve replacement
福井 奨悟
1,2
,
川上 途行
3
Shogo Fukui
1,2
,
Michiyuki Kawakami
3
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
2慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
3慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation, Keio University Hospital
2Graduate School of Health Management, Keio University
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
大動脈弁狭窄症
,
外科的大動脈弁置換術
,
経カテーテル大動脈弁留置術
Keyword:
大動脈弁狭窄症
,
外科的大動脈弁置換術
,
経カテーテル大動脈弁留置術
pp.389-393
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202201
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要旨 大動脈弁狭窄症(aortic valve stenosis;AS)の原因は,加齢変化によるものが全体の82%を占めるとされている.平均寿命の延伸に伴い患者数は増加しており,本邦では200万人以上存在する.大動脈弁置換術(surgical aortic valve replacement;SAVR),経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)とともに術前後での心臓リハビリテーションが重要であり,そのかかわりは術前評価,術後早期離床,回復期から慢性期の心臓リハビリテーションと多岐にわたる.術前ではフレイルを中心に身体評価を行うことが推奨され,術後の合併症や予後との関係が報告されている.特にTAVIの対象者は高齢者が多く,歩行速度や手段的日常生活動作(instrumental activities of daily living;IADL),認知機能などの評価が必要である.また,術前の廃用症候群を予防するため,自宅でできる生活レベルでの介入の必要性も検討される.術後離床に関して,SAVRはガイドラインで基準が設けられている一方,TAVIはまだ一般化されていない.しかし,合併症がなければ翌日より歩行が可能な患者が多く,術後入院期間も短い.課題として,SAVRは低侵襲心臓手術の増加による対象者の高齢化,TAVIは中長期的な心臓リハビリテーションの普及およびその受け皿についての検討が必要である.
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