心臓弁膜症-初期診断・治療・管理のすべて 各心臓弁膜症の診断・治療・予後
大動脈弁狭窄症
中谷 敏
1
1大阪大学 大学院医学系研究科機能診断科学
キーワード:
心エコー図
,
大動脈弁狭窄症
,
重症度指標
,
経カテーテル大動脈弁置換術
Keyword:
Aortic Valve Stenosis
,
Echocardiography
,
Severity of Illness Index
,
Transcatheter Aortic Valve Replacement
pp.401-404
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015342242
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大動脈弁狭窄症は左室に圧負荷をきたし,左室肥大,コンプライアンスの低下,心筋障害を引き起こす.最近は加齢変性に伴う大動脈弁狭窄症が増加している.当初は無症状で経過するが,症状が出現すれば予後不良である.診断のきっかけは心雑音の聴取であるが,確定診断,重症度評価には心エコー検査が必須である.偽性高度大動脈弁狭窄症や奇異性高度大動脈弁狭窄症のように,圧較差が低くても弁口面積が小さい病態がある.大動脈弁狭窄症は進行性の疾患であるため,無症状であっても定期的観察が欠かせない.大動脈弁置換術が標準的治療であるが,最近はハイリスク例に対し経カテーテル的大動脈弁留置術が行われる.
©Nankodo Co., Ltd., 2015