特集 透析患者の心臓病のすべて―インターベンションを中心に
9.大動脈弁狭窄症の診断と治療
竜﨑 俊亘
1
,
林田 健太郎
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
キーワード:
大動脈弁狭窄症
,
末期腎不全
,
経カテーテル大動脈弁留置術
,
人工弁耐久性
Keyword:
大動脈弁狭窄症
,
末期腎不全
,
経カテーテル大動脈弁留置術
,
人工弁耐久性
pp.715-722
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003460
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維持透析患者は高血圧や貧血などの併存疾患の影響で,大動脈弁狭窄症の発症リスクが高いとされている.診断には心臓超音波検査が重要で,透析患者特有の血行動態を考慮した評価が必要である.治療では外科的生体弁置換術(SAVR)と経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が選択肢となるが,維持透析患者では人工弁の耐久性が低い点が懸念される一方,平均余命が短いため,短期的な治療効果も重要であると考えられる.TAVIは低侵襲であり,透析患者への適応が進んでいるが,解剖学的特徴や非維持透析患者と異なる長期成績であることを考慮して治療選択する必要がある.今後,デバイスの進歩や新たな知見により,長期成績改善が期待される.

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