症候群・徴候・43
Hunter-Russell (ハンター・ラッセル)症候群
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.852
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203753
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我が国では水俣病に出る症状として知られ,運動失調(言語障害も含む)と求心性視野狭窄との合併として理解されていることが多いが,爾余の症状についても注目されるべきであろう。
Hunter, Bemford and Russell(英)は1940年,メチル水銀化合物による中毒患者の4臨床例を報告し,これに動物実験の解剖結果を併せ記した。14年後(1954),HunterとRussellはその中の1患者での解剖所見を明らかにし,臨床症状の中の運動失調は小脳皮質,殊に新小脳顆粒層細胞の萎縮に帰せられること,一方求心性視野狭窄は大脳後頭葉有線領の皮質の萎縮に関係していることを指摘した。これがHunter—Russell症候群としてこの両症状が強調される所以である。
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