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プラスマ細胞plasma cellは,Bリンパ球に由来し,免疫グロブリンを産生する細胞で,慢性炎症における浸潤細胞として,あるいは腫瘍における髄外増殖として組織に出現する。核質が車軸状の様子を示す偏在性の核を有し,胞体内にはよく発達したゴルジ装置と多数の粗面小胞体をもっている。粗面小胞体が免疫グロブリンの産生部位で,産生された免疫グロブリンが拡張した粗面小胞体の中に貯留する。
プラスマ細胞内に貯留する免疫グロブリンの量が異常に増加した状態では,細胞が特殊な形態を示す。粗面小胞体の内部で免疫グロブリンが結晶様となり,エオジン好性でPAS陽性の封入体として観察されるものをラッセル小体Russell bodiesと呼ぶ(図1)。同様に,PAS陽性の細胞内貯留物が核の中に認められるものをPAS陽性核内封入体PAS positive intranuclear inclusionsまたはダッチャー小体Dutcher bodiesと呼ぶ(図2,3)。ダッチャー小体はプラスマ細胞様細胞plasmacytoid cellにみられることが多い。プラスマ細胞様細胞はリンパ球がプラスマ細胞へ分化していく過程の移行型としての形態学的特徴を示し,リンパ球プラスマ細胞様細胞lymphoplas—macytoid cellともいう。ダッチャー小体を有するプラスマ細胞様細胞はマクログロブリン血症やリンパ腫でみられる。リンパ球プラスマ細胞様細胞を有するリンパ腫をリンパ球プラスマ細胞様細胞免疫細胞腫lymphoplasmacytoid immuno-cytomaという。ダッチャー小体は核周囲腔に貯留した免疫グロブリンが核を圧迫して,切片状ではあたかも核内封入体として観察されているものである。細胞の核周囲嚢が開いてそこに免疫グロブリンが貯留している像からそのことが推測される(図4)。非ポジキンリンパ腫の国際分類では,ダッチャー小体を有するリンパ球プラスマ細胞様細胞免疫細胞腫は軽度悪性群に相当する。
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