連載 「育児幸福感」を高める 母親支援の新しい形・1【新連載】
育児幸福感とは―子育て期をより幸福に過ごすために
清水 嘉子
1
1長野県看護大学
pp.338-343
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101846
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子育ては次世代に向けた大切な支援のテーマ
その対象は母親です
子育ての特質と支援の現状
●「求められる存在」である母親たちを支える
わが子を育てることは,第1子であれば誰もが初めての体験です。加えてその過程は長い年月をかけて行われます。そして,親としての責任を伴うものです。親は,育児の過程をとおして,自分自身の生き方の修正や変更,あるいは問い直しを迫られます。いわば,人としていかにわが子に対峙するのかという,根元的なあり方が問われています。
また,育児は発達課題のうえでも重要な意味をもっています。母親には子どもの成長の段階に応じて,さまざまな対応をすることが求められています。新生児や乳児は,母親に全面的に依存しているので,母親と子どもは一体感をもちやすい半面,絶え間ない養護や配慮をしなければなりません。幼児期に入ると,さまざまなしつけや,事故への配慮,反抗期など,個々の新たな問題に直面します。子どもの性格はもとより,子どもの特長としての活動性や,待ったなしの要求,ぐずやダダをこねる,泣き,甘えといったことへの対応が求められます。子どもは兄弟姉妹であっても,1人ひとり個性があって,必要な対応はそれぞれ違うのです。
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