連載 認知症の臨床評価尺度
質問による認知機能の評価尺度
角 徳文
1
Norifumi Tsuno
1
1香川大学医学部精神神経医学講座
キーワード:
認知症
,
認知機能障害
,
アルツハイマー病評価尺度
Keyword:
認知症
,
認知機能障害
,
アルツハイマー病評価尺度
pp.659-661
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201000
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認知症の中核症状である認知機能障害の評価を行う場合,質問式の認知機能尺度と行動・観察式による評価尺度がある.質問式は,直接被験者と面接し認知機能障害の評価をするものである.普段の日常生活や最近の出来事について家族からの情報がない場合に,認知機能障害の評価を行う際には有用である.また,患者単独での受診や独居者に対する判定の場合でも同様である.しかし,被験者が視力障害や難聴などの感覚器機能の障害を有する場合,あるいは麻痺や失調などの運動機能障害を有する場合には,検査施行が困難であり,その評価は一部分に限られてしまう.
神経心理学的検査やスクリーニング検査の多くが質問式に該当する.質問式でも行動・観察式による評価尺度であっても注意しなければならないのは,一部スクリーニング検査などではカットオフ・ポイントが設定されているものの,これら評価尺度の結果は臨床情報の一部であって,神経心理学的検査の結果のみによって診断が決定されるものではない.
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