Japanese
English
特集 脳外傷による障害の特徴とその対応
認知機能障害
Cognitive Disorders in Traumatic Brain Injury.
万歳 登茂子
1
Tomoko Manzai
1
1名古屋市総合リハビリテーションセンター
1Nagoya City Rehabilitation Center
キーワード:
脳外傷
,
認知機能障害
,
記憶障害
,
注意力障害
,
行動の障害
Keyword:
脳外傷
,
認知機能障害
,
記憶障害
,
注意力障害
,
行動の障害
pp.461-466
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107625
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はじめに
脳外傷患者に対し,近年認知機能障害に対するアプローチが提唱されている.これは,脳外傷患者の復職や復学など社会復帰においては,運動機能障害よりも記憶障害や注意力障害など認知機能障害が問題となるためであり,慢性期では知的にはよいが,注意力障害や記憶障害の低下している症例が多い.
運動機能障害は脳血管障害とほぼ同様の評価,訓練によるリハビリテーションが可能である.しかし認知機能障害においては,急性期では見当識障害,記憶障害,知能障害などが主な症状であるため客観的評価は可能であるが,慢性期においては社会生活上での問題が主になるため,IQや記銘力など一般的検査では十分評価することができず,客観的評価が困難である.そのため伝統的リハビリテーションだけでは対応ができないのが現状である.
認知機能障害を一言で言うなら<情報処理能力の障害>といえる.本稿では慢性期脳外傷の認知機能障害の問題点と対応を述べる.
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