増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法
Ⅲ章 臨床場面別の活用法
電気けいれん療法を行う際の評価尺度・検査の活用手順—治療効果の判定から有害事象の評価まで
多田 照生
1
,
坪井 貴嗣
1杏林大学医学部精神神経科学教室
キーワード:
電気けいれん療法
,
electroconvulsive therapy
,
ECT
,
カタトニア評価尺度
,
catatonia rating scale
,
発作波の評価
,
evaluation of seizure wave
,
認知機能障害
,
cognitive dysfunction
,
ECTによるせん妄
,
delirium following ECT
Keyword:
電気けいれん療法
,
electroconvulsive therapy
,
ECT
,
カタトニア評価尺度
,
catatonia rating scale
,
発作波の評価
,
evaluation of seizure wave
,
認知機能障害
,
cognitive dysfunction
,
ECTによるせん妄
,
delirium following ECT
pp.709-714
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207293
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はじめに
電気けいれん療法(electroconvulsive therapy:ECT)は,うつ病や双極症のうつ状態,双極症の躁状態,統合失調症の陽性症状,カタトニア,身体疾患に起因する精神障害など,さまざまな疾患に状況に応じて施行され,薬物療法と比較して良好な反応を示すことが多い。しかし,ECTは全身に有害事象を引き起こす可能性があるため,有害事象の丁寧なモニタリングが必要である。また,適切な治療回数を選択するためには,評価基準に基づいた有効発作の判定と丁寧な治療効果判定が必要である。本稿ではECTを行う際に役立つ評価尺度や検査を,実施時期や留意点とともに解説する。
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